分割統治できない世界の歩き方

自己紹介

  • name: @hihats
  • job: ソフトウェアエンジニア(IC), 過去は開発責任者、EM、技術顧問など
  • from: 横浜市港北区
  • 関心: ソフトウェア設計、システム思考
  • 吉祥寺.pm: 初参加

§1 出来事

身近な例(分散モノリス & 人月の神話)

W720

w560

プロダクト組織でも、プラットフォーム事業でも

開発責任者をやっていた頃に言われたこと

経営からのフィードバック

「開発はがんばっていると思うが、事業にどれだけ貢献しているか見えづらい」

これに対する正直な気持ち

でしょうね

「開発組織の成果をどう見せるか」は、分割統治できない

とてもつらい


何がつらいって、大きな問題は分割することでなんとかしてきた人生だった。

Divide and Conquer(分割統治)

「大きな問題は、解ける大きさまで分割し、個別に解いて、統合する」

アルゴリズム設計から関心の分離・単一責任まで、エンジニアリングの土台にある思考の型

還元主義 — 400年の成功体験

分割統治の根っこにあるのが還元主義。「複雑な現象は、それを構成するより単純な要素に分解すれば理解・説明できる」という立場 — 分割統治は、そのソフトウェア工学における実装

近代科学の方法論そのものであり、疑う理由がないほど、うまくいってきた

システム思考とは

要素そのものではなく、要素間の相互作用からシステム全体の振る舞いを理解する考え方

  • 分解して部分を調べる「分析」の、ちょうど対になる見方 — 関係・フィードバック・遅延に注目する
  • 道具は因果ループ図、ストックとフロー、氷山モデルなど — 今日これから実物が全部登場する

身近な例は自然渋滞。全員がまともに運転していても、車間と速度の相互作用だけで渋滞は発生する — 誰も悪くないのに、全体として起きる現象を扱う

インデックス

セクション 内容
§1 出来事 「なんともならない」— 分割統治に嵌っている自分に気づく
§2 パターン 5つの還元が重なる症状 と、繰り返す3つの原型
§3 構造 構造への介入 — 共にモデリングする3層
§4 メンタルモデル 地形を知る — 自分のバイアスを外しにいく
§5 源流 70年繰り返されてきた知的系譜(時間次第)
§6 まとめ 持ち帰りと結論

歩き方の地図

いまのインデックスを、一枚の地図にしておく

システム思考の標準的な教え方である氷山モデルに沿って、水面から海底へ潜っていく

システム思考を使って掘り下げていくと

  • 開発側の説明不足?
  • 経営側の認知の問題?

— どちらでもなく、構造の問題 だとわかるし
もっと掘り下げると、自分の思考の型の限界だとわかってくる

言い換えると、構造の問題だということは、元々頭で分かってはいたりする

  • 局所最適解はだめだよね〜
  • 単一指標だけ追っていてもね〜
  • オブジェクトだけじゃなく、インターフェースもちゃんと設計しようね〜

本当の躓きはもっと奥に

  • 局所最適がだめだと頭で分かっていても、実際には 問題を分解して解決するという局所最適の罠 にはまっていた
  • これはエンジニアが得意とし、思考の習慣と化していた 「Divide and Conquer」≒ 還元主義 の限界を示していた
  • (例)分解すると分解したものに名前をつける
    • 名前をつけると、その対象について理解した気になる
    • 「命名の誤謬(Nominal Fallacy)」という典型的な人間の認知バイアス

還元主義の問題を、還元主義で解こうとしていた

  • 自分の思考パターンに気づくことから始めないといけない
  • 自己認識とか嫌いなタイプだしどうしよう(後述)

§2 パターン — 水面下に繰り返すもの

症状の正体: 5種類の還元が同時に重なっている

還元の種類 何を 何に潰しているか 理論的根拠
単一指標 多次元のシステム状態 一つの数値 Montalion 12.1.1
線形因果 非線形な因果構造 A→B→Cの直線 Montalion 1章
部分最適 相互作用の産物 部分の足し算 Simon/Meadows/Ackoff
時間軸 ストックの変化 今期のフロー Meadows 2.6節
サブシステム分離 社会と技術の相互依存 独立した二問題 Trist 1951

出来事に個別対処しても、決まった形で再発する

一つひとつの出来事に対処しても、時系列で眺めると同じ形で繰り返している — システムダイナミクスの先人たちはこの繰り返しをシステム原型として蓄積してきた

病例1: うまくいかない解決策(Fixes that Fail)

応急処置(B)が、遅延を挟んで副作用(R)を育てる

「今期の売上貢献」で測ること自体がシステムを壊している

病例2: 負荷の転嫁(Shifting the Burden)

開発組織がSI的体質から抜け出せない構造

本当の介入は 配分ルールというシステム構造そのものの設計

病例3: 成功者はさらに成功する(Success to the Successful)

「利益が見えるものに投資する」という一見合理的なルールが——

イノベーションのジレンマを構造として生産している

3つの原型に共通する核

「利益」という指標の時間軸が短すぎることが、すべてのループを駆動している

時間軸の還元(=還元4)が、3つの病例すべての発火点になっている

§3 構造 — パターンを生み出しているもの

分析ではなく、モデリング

パターンの下には、それを生み続ける「構造」がある。構造への理解と介入に必要なのは、正しい分析ではない

欠けていたのはモデルではなかった。
欠けていたのは、共同でモデリングする意欲と能力であった。
— Diana Montalion『システム思考の世界へ』10.1.1

処方は3層構造

(※各略語は後述)

層3: 組織的な場の設計   (誰と誰が、何について対話するか)
        ↑ を支えるのが
層2: 可視化の技法       (CLD、氷山モデル)
        ↑ を支えるのが
層1: 思考の作法         (システム的論拠付け、TDE、4つのコアスキル)

層2の道具だけ持ち込んでも機能しない — 層1と層3が伴って初めて働く

層1: 思考の作法 — システム的論拠付け

可視化ツールではなく 思考の共同実践

主張を支持することが目的ではない。それを検証することが目的だ。

論拠を強化する4つの特性

特性 問い
信頼性 論拠は真実か?
関連性 論拠は状況に深く関連しているか?
一貫性 論拠は説得力のある全体を形成しているか?
説得力 自分の考えをより明確かつ納得できるものにできるか?

層1のツール: TDE(Top-Down Elaboration)

提案を構造化する1ページのフレームワーク

セクション 問い
要約 何を提案するか
WHY なぜそれが重要か(システムの目的との接続)
WHAT 具体的に何をするか
WHO 誰が影響を受け、誰が実行するか
HOW どのように実行するか
WHEN いつまでに何が起きるか

自分の主張をTDEで構造化して論拠を検証する — 4つのコアスキル: 傾聴・熟考・論拠と向き合う・論理的誤謬を見抜く

層2: 可視化の技法 — CLDワークショップ

参考: LeSS / Scriptapedia (Group Model Building) / Change Agent

  1. 問いを立てる — 「なぜ開発投資が利益に変換されないのか?」
  2. 変数の洗い出し — 各人が付箋に変数を書く
  3. 因果の矢印を描く — 同方向(+)/逆方向(-)をマーク
  4. ループの発見と命名 — 強化型(R)と調整型(B)
  5. 前提の表面化 — 「我々は何を仮定しているか?」
  6. 介入ポイントの議論 — どこに介入すれば構造が変わるか?

層2の核心原則

「ダイアグラムは副産物であり、対話が成果物である」 — LeSS

正確な図を作ることが目的ではない。
図を描くプロセスで互いの限定合理性の壁が可視化されることが目的

層2の補助線 — 氷山モデル、再び

このトークの背骨に使っている氷山モデルは、そのまま対話の道具になる

見えるもの: 出来事       (バグ、売上低下)
   ↓ 長期的にどんな傾向があるか?
パターンと傾向
   ↓ これらはどう関連しているか?
構造
   ↓ どんな価値観・信念が形作っているか?
見えないもの: メンタルモデル

CLDで「構造」、対話で「メンタルモデル」を扱える状態にする — その最下層こそ、次の§4で潜る場所

層3: 組織的な場の設計 — クロスファンクショナル統合

開発投資→利益の文脈に翻訳

統合的洞察を生む問い 開発側 事業側 テクノロジー
情報の流れ エンジニアリング 経営企画 ダッシュボード
収益との接続 プロダクト/アーキテクト 営業/財務 利用分析
遅延構造 開発マネージャー 事業企画/CS デプロイ頻度

提言はクロスファンクショナルなグループによってモデル化されない限り、システム思考を表したものにはならない

概念的な橋が架けられているかの判定

強いフィードバックループ(橋あり) 弱いフィードバックループ(橋なし)
積極的なコミュニケーション 反応的なコミュニケーション
エコシステムの各部分が似た感触 不必要に異なっている
トレードオフが適切に行われる 責任のなすり合い
透明性が標準 「知る必要がある人だけ」に制限

§4 メンタルモデル — 氷山の最深部

構造が見えて処方は出揃った

3層の道具があれば「構造」までは介入できる

だが氷山にはもう一段下がある。構造を形作っている価値観・信念 — メンタルモデル

ここから先は、経営でも組織でもなく、自分自身の

20年前、バルセロナのホテルのエレベーターで

Simon Wardley(後のWardley Map考案者)の回想 — 経営幹部から戦略書類を渡され「この戦略に意味があると思うか?」と問われた

見慣れた言葉や図があったからこそ、私は「大丈夫そうですよ」と自信を持って答えました

「イノベーション」「効率」「アライメント」— 有名人がカンファレンスで重要だと言っていた単語が、そこでも強調されていたから

10年後にCEOになった彼は、戦略を評価する手段を自分が何も持っていないことに気づく

成功、利益、大胆な発言、自信に満ちた外見にみんなが疑惑を抱いたとき、報いを受けなければなりません

しかも事業は好調だった。うまくいっている間は、うまくいっていない部分に気づけない

テミストクレスのSWOT

紀元前480年のテルモピュライ。テミストクレスは地形を読み、4,000人余りで17万のペルシャ軍を数日間食い止めた

もし彼が地形ではなくフレームワークを掲げていたら

「私にはSWOTがある。恐れる必要はない!」

戦いで必須なのは状況認識(地形)か、それらしいフレームワークか — Wardleyはこの問いで、自分が地図を持たずに経営していたことを突きつけられた

盤面を見ずにチェスをする世界

Wardleyの思考実験 — 誰も盤面を見たことがなく、押した駒の記録(シーケンス)だけで戦う世界。やがて勝ち手順集『クイーンの秘密』がベストセラーになり、みんながコピーする

盤面が見える相手には、必ず負ける

盤面の見えない世界と、見えている世界

私じゃんね

「開発の貢献が見えづらい」と言われた私が持ち出したのは、それらしいKPIツリーと線形の説明資料だった

見慣れたフォーマットを並べて「大丈夫そうですよ」と言い合う — エレベーターの中のWardleyと同じことをしていた

限定合理性の正体

限定合理性とは、各部門が盤面を見ずに自分の駒だけを動かしている状態のこと

そして自分もまた、システム全体という盤面を見ずに「開発」の駒だけを動かしていた

「地図」と呼べるものの条件

自分も盤面を見ずに駒を動かしていたなら、次に要るのは「盤面の見方」— 何を「地図」と呼んでいいのかを知ることだった

Wardleyが挙げる地図の基本要素

要素 意味
視覚的な表現 物語ではなく絵で示す
コンテキスト固有 目の前の戦いに固有
位置とアンカー 何に対する位置かの基準がある
動き 物事がどこへ動けるか・動いているかを示す

私たちが戦略資料と呼ぶものの多くは、「動き」か「アンカー」が欠けた図であって、地図ではない。KPIツリーもロードマップもそう

すでに地図を2枚描いていた

地図 何の地形を描くか 見えるようになるもの
因果ループ図(CLD) 因果の地形 遅延、フィードバック、増幅
氷山モデル 深さの地形 可視性とレバレッジの反比例

システム思考の道具とは、分割統治できない世界の地図だった

(地形の実体とは、ニーズとケイパビリティの連鎖を、Genesis→Custom→Product→Commodityという進化度の軸で位置づけたもの。位置と動きを最初から備えたこの「進化の地形図」= Wardley Map は、この先に学ぶ価値がある — 今日は入口まで)

目的のなぜ、行動のなぜ

「開発は事業に貢献せよ」— これは目的のなぜしか語っていない

なぜ「あっち」ではなく「こっち」に投資するのか(行動のなぜ)は、同じ地形が見えていて初めて語れる

「利益との接合を証明する」のではなく、同じ地図を見て行動のなぜを共有する — §3の共同モデリングが果たしていたのは、実はこれだった

地形が見えないと、指針と指揮を混同する

  • 指針: コンテキストによらず効く普遍的な方法(ライフルの撃ち方)
  • 指揮: 目の前の地形に固有の判断(どこで戦うか)

地形が見えないまま成功事例をコピーするのは、サイコロで6が出た人を称えて6に賭け続けること(成果バイアス)

DDD・マイクロサービス・Four Keys の盲目的導入 — 「マクロの話をミクロに安易に当てはめる」問題の正体は、この混同

最深部にあったもの — いかに偏見を取り除くか

地形が見えなかった最大の理由は、道具の不足ではなかった

この仕事によって、頭の中が凝り固まっていることを自覚する

  • 「働くなら会社で働くのが当然」
  • 「価値は金額で生産するのが当然」

— 当然すぎて疑ったことすらない前提。「分解すれば理解できるはず」(還元主義)も、この列に並んでいた

バイアスは、フィードバックを受ける仕組みにして外しにいく

自分のバイアスは、内省だけでは見えない(見えないから、バイアス)

フィードバックを受ける仕組みを作って、それを外しにいく — §3の共同モデリングは、まさにこの仕組みだった。自分の地図を他者に晒したとき、初めて自分の凝り固まりが照らされる

分割統治できない世界の歩き方

地形を知り、地図を描く。そして、フィードバックを受ける仕組みで自分のバイアスを外しにいく

描いた地図も、バイアスごと疑い続ける

あのとき失った自信は、能力の問題ではなかった。地図を持っていなかっただけ — だから、取り戻せる

すべてのモデルは間違っていますが、なかには有用なものもあるのです — Wardley Maps 第1章

§5 源流 — 知的系譜

Diana Montalion — 立っている地面を知る

§4では空間の地形を知る話をした。最後は時間の地形 — Montalionの議論は、ソフトウェア領域に閉じない長い系譜の延長線上にある

ここからは、エンジニアとして自分が立っている地面の深さを知るパートとする
(時間が押せば飛ばす)

システム思考の系譜

世代 人物 基盤 適用先
源流 Bertalanffy / Forrester 一般システム理論、システムダイナミクス 理論の創出
第1世代 Weinberg(1975〜)/ Meadows GSTの応用 Weinberg→ソフトウェア・人間系
Meadows→生態・経済系
第2世代 Montalion(2026) 上記の統合 ソフトウェア組織のソシオテクニカルシステム

Montalionの本にはWeinbergへの言及もあり、系譜は明示的に繋がっている

Weinberg — ソフトウェア領域でのシステム思考の先駆者

ジェラルド・M・ワインバーグ(1933-2018)

  • 『一般システム思考入門』(1975) — GSTのソフトウェア応用
  • 『Quality Software Management Vol.1: Systems Thinking』(1992) — タイトルそのものが "Systems Thinking"

ソフトウェア組織における非線形効果を因果ループ図で分析した最初期の体系

Weinberg: ラズベリージャムの法則

広げれば広げるほど薄くなる — 『コンサルタントの秘密』

「負荷の転嫁」アーキタイプ(個別顧客対応が拡大するほど、汎用的な価値提供が薄まる)と同構造

エンジニアが「あれもこれも」の投資分散を許容する瞬間に発火する

Weinberg: 真実のサーモクライン

情報が組織の上層に上がるほど劣化する現象

メドウズの電力メーター比喩(地下→玄関)が「物理的な可視性」の問題なのに対し、サーモクラインは「組織階層による情報の劣化」の問題

両方が同時に作用している

Ackoff — 「そもそも分けるな」

ラッセル・L・アコフ(1919-2009)

最も過激な立場: そもそも部分に分けて最適化すること自体がシステムを壊す

概念 中身
メス vs 問題 現実は相互作用する問題群(メス)。単一の問題を取り出すこと自体が破壊
「正しくやる」vs「正しいことをやる」 効率の追求 ≠ 有効性の達成
合成的思考 「これは何の一部か?」と問う(分析の逆)
理想化設計 ゼロからやり直すなら何を作るか、を共同で設計

Ackoffの示唆 — 開発責任者にとっての意味

「利益は単一指標である」← Montalion 12.1.1
「単一指標で測ること自体が破壊行為」← Ackoffのメス概念

エンジニアの実務への翻訳

  • 「KPIを増やせばよい」ではない(指標の足し算は還元主義の継続)
  • メスとして扱う = 関係者と「何を見るか」自体を共同で設計する

ソシオテクニカル理論 — 「接合」問題の最も直接的な理論

Tavistock研究所、Trist & Bamforth, 1951

英国炭鉱で新技術を導入したら生産性と士気が低下した
原因: 技術システムに合わせて社会システム(チームの自律性、職人的アイデンティティ)を破壊したこと

共同最適化(Joint Optimization) — 一方だけを最適化すると全体が劣化する

ソシオテクニカル理論のソフトウェアへの再来

人物 概念
1951 Trist & Bamforth ソシオテクニカルシステム理論(炭鉱事例)
1968 Conway Conwayの法則 — 組織はそのコミュニケーション構造のコピーを設計する
2019 Skelton & Pais Team Topologies — チーム構造とソフトウェアアーキテクチャの共同設計

我々が日々向き合っている「チーム編成」「アーキテクチャ」「組織設計」の問題は、70年前から繰り返されている同じシステム問題

システム思考と還元主義の関係 — 立場の整理

論者 立場
Ackoff 還元主義は根本的に不十分。合成的思考で置き換える
Meadows / Montalion 還元主義は有用だが、それだけでは足りない(補完 の立場)
Weinberg 対象に応じた使い分け(小さなシステムには分析、大きなシステムにはシステム思考)

共通: 要素間の相互作用が弱い対象には還元主義が極めて有効。
相互作用が支配的な対象(組織、生態系、経済、ソフトウェアシステム)には不十分

還元主義 vs システム思考 — 4軸の対比

還元主義 システム思考
分解して理解する 関係の中で理解する
部分の性質を調べる 相互作用のパターンを観察する
一人の分析者が客観的に 複数の視点で共同的に
静的なスナップショット 時間軸上の振る舞いとして

エンジニアの仕事にはどちらも必要。境界線を見極められるかが分岐点

§6 まとめ

思えば底が変わったときが、一番の成長の機会だった

「貢献が見えない」という水面の出来事から潜り、パターン → 構造 → メンタルモデルまでを認識したところで、一番深い場所にある、自分のバイアス が邪魔していると何も変わらないことがわかる

注意: 還元主義は悪ではない

相互作用が支配的な対象(組織、事業、ソシオテクニカルシステム)では、相互作用を捨象した時点で本質を見失う — 主張したいのは「脱却」ではなく分割統治や還元主義の「適用範囲の認識」

  • 引き続きエンジニアにとって必須の素養。「知らずのうちに固執していないか」に気づけるかが第一歩
  • 還元主義に限らず、自分のエンジニアとして成功体験に縛られていないか — を自問する習慣

習慣づける?いやいや

  • それができれば苦労しないのよ
  • 習慣的にメンタルモデルを自問するなんて修行僧ですか
  • 自分一人では無理

相棒を得ました

変わらないことは?

  • ヘルシーでいましょう
  • まず健康 あとは何とか なるものさ
    

参考文献(第1部)

  • Diana Montalion『システム思考の世界へ』O'Reilly Japan, 2026 — 1章 / 7章 / 8.5節 / 10.1.1 / 12.1.1
  • ドネラ・H・メドウズ『世界はシステムで動く』英治出版 — 2.6節, 12のレバレッジポイント
  • ハーバート・A・サイモン『システムの科学』— 限定合理性
  • Gerald M. Weinberg『一般システム思考入門』(1975) / 『Quality Software Management Vol.1: Systems Thinking』(1992) / 『コンサルタントの秘密』
  • Russell L. Ackoff『Ackoff's Best』(1999) / 『Redesigning the Future』(1974)

参考文献(第2部)

ご清聴ありがとうございました

Q&A

時間次第で復活: Marp上は非表示 ## ③ リファクタリング期間で負債を返したのに、半年後には元通り _class: nolead ![bg fit](images/debt_stock_flow.png)